レーザーの種類
ここでは、あざの治療に使われる主なレーザーの種類をご紹介したいと思います。
どのレーザーを用いるかは、色素の種類、あざの深度や各病院の方針によっても変わってくるので一概には言えませんが、各レーザーの特徴を踏まえてお医者さんが選択してくれると思います。
●CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)●
用途:レーザーメス、ホクロやイボ、盛り上がりのあるあざなどを取る、しわ取り
赤外線レーザーの一種で、炭酸ガスを使用し、その波長は10.6nmと可視光線よりもずっと長く、大部分は組織中の水分に吸収され、熱エネルギーに変換されるという性質があります。
●ルビーレーザー●
用途:シミ、黒あざ、茶あざ
レーザー媒質に宝石のルビーを用います。694nmという波長を有しており、メラニン色素に良く吸収され、血管や組織にはあまり吸収されないという特徴があります。あざを治療するレーザーとして日本では最も普及しているレーザーです。
よく聞くQ-スイッチルビーレーザーは、これを改良してレーザー照射時間を超短時間にして、他の正常細胞への影響を最小化したものです。
●アレキサンドライトレーザー●
用途:シミ、あざ、脱毛
レーザー媒質に宝石のアレキサンドライトを用いて755nmという波長を有します。メラニン色素に反応する性質があります。あざ治療というよりは、最近は脱毛用でその名前を聞くことが多いです。
こちらにも、Q-スイッチアレキサンドライトレーザーというものがあります。Q-スイッチルビーレーザーと同じく、照射時間を超短時間にしたもので、ルビーレーザーよりも少し奥まで光が届くようになるので、あざ治療に用いられます。
●Nd-YAGレーザー(ヤグレーザー)●
用途:シミ、ソバカス、赤あざ
ネオジウム・ヤグ(イットリウム、アルミニウム、ガーネットから成る結晶YAGにネオジウムを混ぜたもの)を用いて、1064nmという波長を有します。
波長を半分に変換できるKTP結晶を組み込んで、532nmの波長を出すことができるものが主流です。532nmの波長は、メラニン色素に反応するとともに、ヘモグロビンの赤い色素にも反応します。
●Er-YAGレーザー●
用途:ニキビ跡の凹凸や顔面のしわ取り
上記YAGにエルビウムを混ぜたもので、2936nmという波長を有しており、水分に反応します。
●色素レーザー(ダイレーザー)●
用途:赤あざ、血管性疾患
アルコールに色素を溶かしこんだものを発振体としており、585nm付近の波長を有します。ヘモグロビンに反応する性質があります。
●ダイオードレーザー●
用途:脱毛、毛細血管拡張症など
半導体を使います。理論的には半導体の性質を変えることにより様々な波長のレーザー光を作り出すことが可能です。