レーザー光の特徴

レーザーも光の一種です。

日光はプリズムに通すと、虹の7色に分かれますよね?日光や電灯の光、ろうそくは、光の波長、位相、方向がバラバラなので、こういうことが起こります。バラバラだからこそ、光の幅が広がってしまって、遠くまで届きません。

一方、レーザーはこの光の波長や位相を人工的に揃えたものなのです。だから、光が広がらずに、遠くまでそのエネルギーを維持したまま届けることができるのです。
ようするに、人の手で作り出した制御可能なエネルギー密度の高い光ということです。医療用だけでなく、プレゼンで使うレーザーポインタとか、金属の溶接など、エネルギーを変えることで、いろいろな分野に使われています。

レーザー光の特徴をまとめると以下のようになります。

●指向性(広がらない)

レーザーでは共振器の軸方向に往復する光だけが増幅されて発振するので、レーザーの出力光はその軸方向にだけ進むビームになります。

●干渉性

2つの光を重ね合わせると干渉が起こることは、物理をかじった人なら知っていると思いますが、レーザー光はこの干渉性が非常に高いです。レーザー自体が位相のそろった光であるためです。

●単色性(あざやか)

この特性は、単一周波数の線スペクトルにどの程度近いか(すなわち周波数軸上でのスペクトルの純度)を示すものです。レーザー光がほとんど単色です。

●エネルギー集中性 高輝度性

レーザー光の平均パワーは、従来からある光源と比較しても決して高くはありませんが、レーザー光のパワーは、時間的・空間的・周波数的に狭い領域に集中しているので、きわめて高いエネルギー密度(すなわち高い光の強度)が実現できます。

●制御性

レーザーでは出力光を人工的に制御して、従来の電波技術と同様に振幅変調や位相変調、周波数変調などが自由に行えます。これは、治療にとっても大事なことですね。