イチゴ状血管腫 (strawberry hemangioma)

柔らかくて、表面はイチゴみたいに凹凸がありザラザラしているのが特徴です。実際は、イチゴみたいに表面がこぶ状に隆起するものは3割程度で、6割近くは隆起はあまり大きくありません。血管腫というくらいですからその部分に血管が集まっているので傷つけると簡単に出血してしまいます。

生後まもなく発症し、1、2ヶ月で毛細血管の拡張として始まり、3ヶ月くらいまで隆起して次第に大きくなります。6ヶ月~1歳位までに大きくなります(増殖期)が、そのあとは主に中央部より自然にに小さくなり(退縮期)、ほとんどの人が7歳位までには消失します。

しかし一部ですが、小さくなっても皮膚の表面に細かい血管が浮き出たり、表面のぷよぷよ感、皮膚萎縮や痕を残すことがあります。

以下が治療が必要な場合です。

  • 耳、鼻、口唇に発症した:
    潰瘍になったり、皮膚欠損になることがあります。
  • 上まぶたに発症した:
    目を閉じてしまうことがあり、このような場合は視力の発達に影響が出てしまいます。
  • 巨大なイチゴ状血管腫:
    場所によりいろいろな閉塞症状(気道をふさぐものなど)をきたすこともあります。
  • 7歳以降にまだイチゴ状血管腫が残っている:
    これ以降は小さくなることはないので、消すにはなんらかの治療が必要となります。

治療は以下のような手段があります。

  • ステロイドの大量投与:
    速効性があるので緊急性を要する場合に行われますが、重い副作用を生じる可能性があります。
  • インターフェロンαの連日皮下注射:
    効果的ですが、重い副作用を生じる可能性があります。
  • レーザー治療:
    色調を薄くする効果がありますが、盛り上がりを小さくする効果はあまり期待できません。よって、時期によってする・しないを決めたほうがいいと思われます。
    増殖期にレーザー治療を行っても増殖を完全に止めることはできません。
    退縮期にレーザー治療を行えば、色調は薄くなっていきますが、イチゴ状血管腫はもともと自然に小さくなる傾向があるので、7歳頃以降にはレーザー治療をしたところとしていないところとで、あまり差がわからないようになってしまいます。
    7歳以降にまだイチゴ状血管腫が残っている場合で、皮膚の表面に細かい血管が浮き出ているような場合であれば、他の血管腫の治療のようなレーザー治療がある程度効果があるでしょう。
  • 外科手術(縫合や植皮):
    皮膚表面の質感を治すには、病変部を切って縫い合わせたり、植皮をすることが考えられますが、程度の違いはあれ、手術跡は残ってしまいます。