太田母斑 (nevus of Ota)

東京大学の皮膚科の太田正雄氏によって名づけられたから太田母斑だそうです。眼上顎褐青色母斑ともいいます。この名前のとおり、目の周りから頬にかけで現れるあざです。色は青以外に褐色や茶色のものもあります。

この母斑は、米粒大から栗の実大位までの小さな色素斑がたくさん集まったものからなっています。

通常、顔面の片側に現れますが、たまに両側にできます。皮膚ばかりでなく、眼球、鼓膜、鼻の粘膜、咽頭、口蓋にも色素が見られることがあります。
私には、確認できた限りで、口蓋(口の中、前歯の裏の上のほう)にプツプツと斑点状にあります。普段の生活ではまず見られることはおろか、見ることもちょっと困難ですね。

日本人に多いと言われますが、黒人にもあり、まれに白人にもあるといわれています。発症率は男:女=1:4で女性に多く、日本の統計では0.1~0.2%、つまり500~1000人に1人の人が発症するといわれています。

通常、生後まもなく発症しますが、思春期に発症することもあります。

一般的に良性の母斑で、月経時や睡眠不足だと色調が増強することがあります。
私の経験上、妊娠中は少し濃くなるような・・・?気がしました。

出生時より存在するものは、早期に治療するほどレーザー照射回数も少なく効果も良いとされています。
現在、レーザー治療によって、傷跡を残さずにほとんど消すことが可能になりました。


遅発性太田母斑。23歳女性。未治療。高校生ごろからだんだん濃くなってきた。


太田母斑。治療前後。33歳男性。2000年2月~2001年5月に3ヶ月おき5回治療。全て保険適用で、内2回の治療費は1000円以内。

*写真掲載はご本人の許可を得ています。画像の無断転載は堅く禁止いたします。